「…おい!! 優芽!!」
「はひ!?」
「なんだよ『はひ』って…」
「だっ…だってびっくりして…」
ほんとにびっくりしたよ…。
「お前、今の話し聞いてた?」
今なんか話してたの!?
やばっ!!
全然聞いてなかったよ…。
どっ、どうしよう…。
「優芽、聞いてた?」
「…」
「聞いてなかったんだな」
「ごめんなさい…」
全然聞いてませんでした…。
「じゃ、晴空。俺とメグでこれ出しに行ってくっから。ちゃんと優芽に説明しとけよ~」
そう言った巧先輩の手にはさっき書いたプリントがヒラヒラとしていた。
ふたりで行っちゃうんだ…。
っていうか…
今何気に呼び捨てだったよね!?
あたしのことだけじゃなく、メグのことも!!
いきなりなぜ!?
「これからは、敬語もやめるし、メンバー全員を呼び捨てで呼ぶことって話し」
「呼び捨て!?」
「呼び捨て。俺のこと、晴空って呼べよ」
なんか楽しそう!?
そんな笑顔で言わないでください。
心臓がうるさいよ。