「先輩方、ひとつお忘れじゃありません?」
あたしが気になっていることを切り出すと、ふたりとも、きょとんっとした顔をした。
何のことだかわかっていないみたい。
あたしは、プリントを指差して話しだした。
「ここの!バンド名のところ、どうするんですか?」
はっとした顔をしたふたり。
この様子じゃ、忘れてたか、全く考えてもいなかったって感じだ。
「わりぃ…。忘れてた…」
「俺は考えてもなかった…」
やっぱりか…。
晴空先輩は、ちゃんと頭にあったんだ。
巧先輩は…
ううん、なんでもない。
「俺は、一度決めたら改名とかしたくねぇからな。全員が納得のいく名前にしたい」
「賛成!!」
晴空先輩の、『男に二言はねぇ』的な考えにあたしは賛成した。
「あたしもいいと思う!」
続いてメグ。
「じゃあ俺も!」
最後に巧先輩。
な~んか…。
巧先輩だけ軽いんだよね…。