『あったあった。』

椎名係長はそういいながらたくさんの資料を私に渡した。

『A社の資料。ま、自分でA社を持ったことがあるわけじゃないから後輩のなんだけどね。』

...椎名係長、K社の話にA社の知識は不可欠なのに大丈夫なのだろうか...。

『先輩、会議は何時からですか?』

『会議?...ああ、これの?
いやー、昼前に突然入っちゃってさ。
会議自体は4時からだよ。
どうかした?』

4時からか...

『いえ、分かりました。
A社の資料、ありがとうございました。』

私はそういうと、一礼して自分のフロアへと戻った。



せめて、喉だけは潤そうとペットボトルのストレートティーを買った。

ああ...甘い...

あまり甘い紅茶は好きではなく、滅多に飲まないのだが、残業になりそうな時だけやる気を出そうと飲む。

私は、気を入れ直してA社の資料を読み始めた。