A社の担当は五階の人達が多いから五階に行けばいいだろうと思い、五階で資料を探していた。

『あれ?水嶋?』

本日二度目の遭遇。

『今日は、椎名係長。今日は良く会いますね。』

『ああ...ところで、水嶋は何してるんだ?水嶋は六階だろ?』

『急な会議が入りましてA社の資料が必要になり、お借りしに来ました。』

『ふーん。ああ、A社の資料なら...』

そう言って、椎名係長は持っていた資料を私に渡し、何処かへ消えた。

先輩が私に渡した資料はK社へのプランだった。

きっと、急な会議が入ったのだろう。

メモにK社の事がざっくりまとめてあった。

『ここ...違う。』

暇なのでメモに目を通していると、間違っているところを見つけた。

K社とライバル関係にあるのはB社じゃなくあるのA社。

他にも間違いがあり、いちいち言うのがめんどくさいので書き直しておいた。

とはいっても、私の仕事としてK社に関わった事はない。

吉川さんとかのおかげでK社の事は頭に入っていた。