またか。と私は思った。

吉川さんは前にも私に頼んだ。

きっと、私には仲いい人もいないし、仕事一本だから大丈夫とでも思っているのだろう。

『分かりました。会議は何時からでしょうか。』

『ありがとう!!えっとねー...』

彼女はそういうと会議の資料を渡した。

『三時から会議室5だって!!
ほんとありがとう、水嶋さんって後輩に思えないくらい完璧なしっかり者だよね!!今度お礼するね!!』

彼女はそういうと、さっさとこのフロアから出て行った。

『ああ言いながら、一回もお礼されたことないんだけど。』

私はため息をつき、資料に目を通した。