俺はそれだけ言うと、黙った。


――男?


なんでそう思ったのかは分からない。けど、男なんじゃないかなと思った。


もしかして、と思って、橘を見つめると


橘もそれを察し、


「よくわかったわね。」

と笑った。そして、


「後で話さない?」

と耳元で囁いた。



体育館にはもうほぼ集まっていた。


「うん!」



男がいた。


それだけで俺は安心した。

その後の校長の話はあまり聞いてなかった。


今日1日の授業を終えて、俺は疲れ果てていた。


転校生ということもあり、同じクラスのほとんどの女子が話しかけてきた。