ていうか好きかどうかもわかんないならそこまで考えなくてもいいのか?
「まっ、頑張れよ!」
そう一言言って、橘の肩を叩いた。
「ああ。――あれ?」
人影が見えた。
凄く小さい女の子。
「おにーちゃん」
「深月!」
おにーちゃん?ミツキ?
ミツキと呼ばれたその子は、控えめに
「おにーちゃんがどっかに行ったから、着いてったら見失って…」
「そっか、大丈夫だった?」
「うん!」
「この子は…」
「僕の妹。小学4年生。二人のときはお兄ちゃんって言ってるけど、いつもはお姉ちゃん。」
二人…?
ミツキちゃんは、しまった!というように俺を見た。
「大丈夫!俺も男!」
俺はニカッと笑ってみせた。
ミツキちゃんは、安心したように、笑った。
「南ちゃん!」
そうでしょ?と言わんばかりに俺を見た。
「何で……」
「おにーちゃんに聞いたの!男の子がいるって!」
「ごめん、ミツキには話しちゃった。」
まあ、この子は言わなそうだし、大丈夫だな。
「お前の妹なら許す!」
「はは」