女に囲まれる青春なんて……



――はっ


そうだ。


正常な男なら、女に囲まれる青春はパラダイスなんじゃないか…?


ということは、こいつもそういうことなのか。


「そうか!お前は男だな。」


「なんだそれ」



橘は困ったように微笑した。


「お前ならモテるぞ!」


「そーならいいけどな」


「…にしても、どうしたらそんな女らしくなれんのか…」


下手したら女より女らしい。


けれど橘のことは嫌いではない。


……男だからな。



橘は黙って考えてから、


「わかんねぇ!」


とはにかんだ。


ふと時計を見ると、そろそろなな達が帰ってくる時間だった。


「橘。そろそろ時間だ。」


「そーだな。じゃ。」



と、橘が手を振った。


「おぅ。またな」


橘が出ていって暫くして、なな達が帰ってきた。