「……どう……なんで……!!」
「…世羅に……お前が……」

声が聞こえる。

世羅はベッドから出て恐る恐るリビングに向かった。

階段を後3段で降りきるところで、足が止まった。

「あなたとは離婚します」

その言葉が聞こえたから。

「な…んで…?」

確かに家族で出掛けた事なんか全然ないし、お父さんが帰ってきた時は目も合わせていなかった。

「離婚して、世羅はどうする?あの子は……」

「世羅は私が育てるわ。貴方に育てる力なんかあるわけないでしょう」

「……それは世羅が決めることだろう。お前が決めることではない」

「いいえ。貴方には渡しません」

世羅は静かに自分の部屋に戻った。