「そうねー、今日はただ荷物を取りに来ただけだから、わからないわ」

「……そう」

世羅は分かっていたように、居間からでて自分の部屋に戻ろうとしたとき、

「ごめんね、世羅。……お父さんの所で暮らしてもいいのよ?」

「っ!!だれがッ!!私は、あんなやつ父親と思ったことない!!!!」
「世羅ッ!!」

世羅は走って階段を登り、部屋の扉を閉めた。
怜香は、言ってはいけないことを言ってしまったと後悔した。

「ごめんね、世羅」