「はい」

「なにこれ」

ある春の昼休み。私、水無月世羅の机に1冊の本が置かれた。

「いや、友人としてあんたの救世主になってあげようかなと」
「いや、だからなにこれ」

私はとりあえず友人、阿多伽凛(カリン)が置いた本の表紙をみた。


『あいについて』


ベシッ ヒュッ


ガッコーーン


説明しよう。表紙をみた瞬間、水無月世羅は阿多伽凛の頭をその本で叩き、その本を投げ、それが見事にゴミ箱にはいったのであった。


「っいったーい!もう何すんの?!」

「あんたが変なものを持ってくるからでしょ」

伽凛はゴミ箱に入った本を持ってきて私に突きつけた。

「とにかく!これ読んでみてよ、私は世羅にも恋愛してほしいから」

「ゴミ箱から出すって、あんた凄いね」