五月二十五日 快晴




怜香が来る。
やたらと、栞君の事を気にしてゐる。


彼女もわからない人だと思ふ。
彼女が本当に好きなのは、

いや、やめておこう。



怜香が帰つた後、台所に行くと、栞君に会つた。

幽霊でも見たように真つ青な顔で震えてゐた。


過呼吸を起こしてゐるやうだつたので、落ち着くまで待つた。

彼女でも、泣くのか、などと考えてゐた。


動じぬ娘だと思つてゐたが、案外そうでもないのかも知れぬ。




後になつて聞いてみたが、彼女は何があつたのかは、言う気がないやうである。



何故か、気になる。









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