「どこにトリップしてんだよ」


あからさまに不機嫌そうな顔をして私の頬に触れた


冷たい竜ちゃんの手が私を一気に現実へ引き戻す


「きゃっ!!」


思わず竜ちゃんの手を振り払った


ただ怖かった


これ以上「私」に侵入されるのがただただ怖かった


「んだよ。今日も俺ん家来る?」


もう歩き出している竜ちゃんの後ろへピッタリとくっつく


離れたい。この現実から


消えたい。この世から・・・・


現実しか待っていない家に帰るなら少しでも遠くへ行ってしまいたかった



「おーい着きましたけど?」


玄関のドアを開けながら私の目の前に手をヒラヒラさせてくる


「ごめん。」


ローファーを脱いで急いで上がる


「お茶いれるから昨日の部屋入っといて」


現実に戻りきっていない頭で言葉を理解して昨日の部屋に入る


昨日と大して変わらない汚さに思わずため息をつく


普通彼女を部屋に入れるときは掃除をするんじゃないのか??


すぐにお茶を持って部屋に入ってきた竜ちゃんは私のすぐ横に腰を下ろすと


私のブラウスをひっぱった