これ以上されても嫌なのでお望み通り部屋を出る


慣れた手つきで自分に手当てをし傷を隠すため暑いのを我慢し長袖に腕を通す


今日はいつもより早く学校へ向かった


あぁいうことをされた日は決まって早く出るんだ


家から


あの人のいる家から逃げ出したかった





ガヤガヤとうるさい教室の端に鞄を置く


始業まであと20分もある


はぁ・・・暇だ・・・


「本宮さん、おはよう」


急に話しかけられビクっとなったが見慣れた顔に安心する


「美優(みゆ)ちゃんおはよ」


唯一話すことができる友達


河合 美優


私と同じように両親からの愛情を受けずに生きてきた子


同じ境遇に自然と仲良くなっていった


真っ黒な髪の毛にひざ下のスカート


「真面目」って言葉が似合いすぎる


高校生も2年目となれば髪の色はさまざまだし


スカートはパンツが見えるんじゃないかって心配になるぐらい


短い人もいる


始業を知らせるチャイムがなり美優ちゃんも席へ戻る



私は母のことをボーっと思い出していた