「りゅーう!告白しないの?」


俺の顔を覗き込むように効いてくる雅人


あれから4か月


俺はひたすら見つめ続けた


分かったことはクラブには所属していない


放課後は教室でゆっくりしてから


のろのろ帰っていく


友達もあまりいない模様


誰も「本宮さん」のことを名前で呼ぶ人はいないので


まだ名前は知らない


「そんなにガチなんだ?」


「あぁ」


もちろんあのゲームには負けて雅人にジュースをおごった


雅人はこの可愛らしい顔からは想像できないほどの性悪で


告白した女の子のことをすぐ振った


ほんと最低だと思う


まぁ俺も同じことしてたんだけど・・・


学校帰りにスーパーによりキャベツと豚肉を買ってから家に帰った


「ただいま」


誰もいない真っ暗な部屋に一人ポツリと呟く


もちろん返事はない


母がいたころもこの時間にはいなかったし一人だったけど


俺の家にはベッド以外なにもないからベッドの上でボーっとする


思い出すのは「本宮さん」で


彼女に何があるか知らないけど暗い闇を吹き飛ばして


本気で笑顔にしてあげたかった