「うえーーんうえーーん」


「大丈夫。泣かないの彩花」


転んで泣きじゃくる私の頭に手を置くパパ


そのまま引き寄せ私の涙を拭いてくれた


「痛いの痛いのとんでけーー」


笑って私におまじないをかける


パパはいつでも笑ってた


そんなパパの笑顔が大好きで


「いたいのなおった!」


大きなパパの体にしがみついた


あったかいパパ。優しいパパ


「彩花。泣いてばかりはいけないよ。泣いたらたくさん笑いなさい。笑って今度は泣いてる人を笑顔にさせてあげるんだよ。」


優しくそういうとパパは私の手を取って歩き出した




「彩花」


はだけた服のまま道路に座り込んで泣いている私に竜ちゃんはパーカーをかけてくれた


振り向けば竜ちゃんがいて


「ごめんな。嫌って言ったのに」


頭を下げた竜ちゃんの瞳は少しうるんでいて


まだ泣き止まない私の肩を抱いた


「こんなとこで泣いてたら・・・もっかい俺ん家来る?」


好奇の目で私を見て去っていく人々


こんな状態でいる私がおかしいのかも知れないけど


私は素直に竜ちゃんの部屋に入った