何も言わない私を竜ちゃんは黙って押し倒す


私は「嫌われてしまえばいい」とギュッと目を閉じた


数秒の沈黙が流れ私は体に涼しい風を感じた



「コレ・・・・何?」


露わになった私の右腕


今朝手当てしたガーゼに無数のアザ


気持ち悪い以外の言葉では表現できないような生々しさ


竜ちゃんは何も言わない私の顔を覗き込んでくる


「えっと・・・なんでもないよ。ちょっとケガして・・」


「自分でやったの?ねぇどーしたの?」


顔を背け黙ることしかできなかった


今日は家に帰りたくなかったのに


でもこれ以上ここにいることもできない


私ははだけたブラウスに手を通し


「ごめん・・・帰る・・・」


竜ちゃんの顔も見ずに飛び出した


私はこういう運命


あの母親と一生生きていくしかない


分かっている


分かっているけど涙は止まってくれなかった・・・・