ヒラヒラと私に手を振ると、入り口辺りにいた森井さんにニッコリ微笑みながら会釈してお店を出て行った。


そんなゆりあをデレッとしたまま見送る森井さん…。


私の視線に気付くと、わざとらしく咳ばらいをしてせっせと品だしを再開している。


そんな森井さんがおかしくて、私は思わず吹き出してしまった。



「もー、ゆりあってば…」



オジサマキラーで意外と強引なゆりあ。

だけどそんなところも憎めない、大好きな親友だ。



外食は久々だから、きっと愛斗も喜ぶだろうな。


口いっぱいに料理を頬張る愛斗を想像すると、私の口元は自然と緩んでいた。