「あのなぁ…俺がそんなこと聞いたらセクハラだろーが。野獣だと思われちまう」


「何言ってんすか、今更…」


「こらショージ。何気に失礼なこと言うんじゃねーよ」



軽く笑ってそんな言い合いをしつつ、俺は再び亜優を盗み見ていた。



…やっぱり武田さんは、俺のことだけじゃなく亜優のことも誤解してるんだな。


“あんな純真無垢なコが経験豊富なはずがない”と思ってるんだろう。


真実は、いつも目に見えているとは限らないのに。





「そんなこと言ってたの?武田さん」



シャワーを浴びた後の髪や体からほのかにいい香りを漂わせる、小悪魔な天使。


ベッドに座る俺の隣に、彼女はクスクスと笑いながら腰を下ろした。