それから、ついでにゴミステーションの掃除当番の話をしたりなんかして俺は部屋に戻った。
窓からは住宅の陰から顔を覗かせている桜並木が見える。
少し蕾が開き始めた、三分咲きの桜──
何かが始まりそうな予感にワクワクしているようなそれは、なんだか俺の今の気分によく合っている気がした。
不思議だな…
さっきまであんなにイライラしていたのに。
それが嘘のように今スッキリしているのは、きっとアロマテラピーのような彼女の癒し効果のおかげなんだろう。
まだ会ったばかりなのに、何故こんな気持ちになるのだろうか。
女なんてみんな同じだと思っていたのに──
俺は、彼女には他の女(ひと)とは違う“何か”を感じていた。