顔は全く違う。


ただ、彼が纏う雰囲気がどことなく似ていた。



クールな笑い方とか

抑揚のない喋り方

子供に目線を合わせて話して、頭を撫でるところも…


彼と重なる部分が多くて、私は動揺を隠すのに密かに必死だった。




自分の部屋へ戻ると、今でも愛しい彼の姿が鮮明に思い浮かぶ。


懐かしい気持ちが私の心を優しく包んで

そして──ギュッと締め付けた。



「どうしたの?お母さん」



私の様子がいつもと少し違うのに気付いたのか、愛斗が心配そうに見上げる。


はっとした私は、軽く首を横に振って笑いかけた。