エリカからの帰り道は三人で歩いて帰った。

だいぶ涼しくなった夜の空気が、もう秋なんだと感じさせる。


アパートまでは結構距離があるけれど、明日は祝日で皆休みだから多少疲れても平気だ。



比較的車の通りが少ない車道と歩道を隔てる縁石の上を、マナトくんは上機嫌で歩く。

その少し後ろを俺と夏芽さんとでゆっくり歩いていた。



「…私、ショージさんのことが好きよ」


「──っ…」



突然、何の前置きもなく夏芽さんが言うもんだから空耳かと思った。


隣の少し背の低い彼女を見やると、何かを考えるように、でも真っすぐ前を見据えている。