「マナトくんみたいな子供も、ここに来るアカシヤの子達だってそうだろう?
皆自分の想うままに、やりたいことやって言いたいこと言ってく。

大人になるとなかなか出来ないことかもしれないけど、おれはそれが大切だと思ってるよ。

夏芽ちゃんも自分の気持ちに素直になりなさい」



──それを聞いた夏芽さんは、手の平の上で咲く真っ白で可愛らしいエリカをじっと見つめていた。



もしかして、森井さんはほんの少しマナトくんから事情を聞いたのだろうか…?

良き先生のように優しく諭す森井さんを見ながら、俺はふと思った。



……俺の妹も、自分が望むことをやってあの世へ旅立っていったんだよな…


あの日のような、きらきらと輝く星空を見上げながら思う。


そう思うと妹も、俺も、親父も、ほんの少しだけど救われるような気がした。