「でも最初にその花を贈った時は、『このピンクのエリカの花言葉は“孤独”や“裏切り”なのよ』なんて言って、嫁さんが拗ねちまって。

花の色によって花言葉が違うなんてのはもちろん、花言葉なんかも知らなかったからなーおれは。

だから、その後にこの白いエリカを贈ってご機嫌取りをしたんだ」



白色のエリカの花言葉は

“幸せな愛を”



「それからおれの子供にも孫にも、『仲直りしたい人がいたらこの白いエリカをあげるといい』って言ってたワケさ。
ま、おれ独自のおまじないだけどな!

ずっと前にその話をしたのをマナトくんは覚えてて、だから今ここへ来たんだよな?」


「うん!おじさんがここへ来ればこの花くれるって言ってたからー」



ねーと言って顔を見合わせて二人は笑う。