愛斗は、今度はショージさんをキッと見上げる。



「ショージも!お母さんをイジメるな!!」


「え……イジ、メ…?」



どうやら愛斗の目にはそう映っていたらしい。

ショージさんは面食らったように目をパチパチさせている。


それにも構わず、愛斗は噛み締めていた唇を開いて、


「二人ともケンカしちゃヤだ!!」


と言い放つと、くるっと後ろを向いて突然走り出した。



「マナっ──!?」


「ちょ…っ、マナトくん!!」



叫ぶ私達をよそに、愛斗は階段を駆け降りていく。

ショージさんも瞬時に追い掛けようとした──その時。