何が正しくて、何が間違っているのか、正直今の私にはわからない。

ただ私の口からは次々とこんな言葉が飛び出してしまう。



「ショージさん、私達のために色々してくれて、本当に嬉しかったの。でも…
私達といたら行動も制限されちゃうし」


「そんなのは気にしない…!」


「それに、あなたのお母さんと同じことを私はしたのよ?」


「それは関係ないって!」


「こうするのがお互いに一番いいのよ、きっと…」



──ダンッ!!



私がそう言った直後、鈍い音がアパートの廊下に響いた。


壁に背を預ける私を取り囲むようにして、顔の横でショージさんが壁に拳をたたき付けているのが目に入る。