顔を上げると、険しい表情に少し悲しげな色を滲ませた彼が私をまっすぐ見つめている。



「金銭的にも、ちゃんと二人を養っていけるのか?
第一、あのくらいはまだ遊びたい年頃だろ。それなのに一人の女性に…夏芽に本気で尽くしてくれると思うか?」


「……っ」


「俺は若くして結婚したが実際上手くいかなかった。子供がいるなら尚更じゃないか?
自分でそれを経験してるから…心配なんだよ」



──孝宏さんの言葉はもっともだと思った。


だけど、ショージさんはそんな人じゃない

きっと私達のことを真剣に考えてくれる


……そう、自信を持って言い切ることが出来ない自分がいる。


ショージさんの本当の気持ちもまだ聞いていないんだから。