お店に入ってメニューを選んでから、孝宏さんは愛斗に色々な質問をして話を広げようとしてくれる。


保育園は楽しい?
何をして遊んでるの?
小学校楽しみだね


そんな問い掛けに淡々と答える愛斗だけれど、私にはそれが逆に不自然なように思えた。


料理が運ばれてきてからも、孝宏さんの質問は続く。



「愛斗くんは何の料理が好き?」


「…お母さんのハンバーグ」


「そっか、お母さん料理上手なんだもんな。それが毎日食べれるなんて幸せだな」


「………」



……愛斗?


孝宏さんの言葉に何ら不思議なことはないのに、愛斗は黙り込んでしまった。


どうしたんだろう…?