「夏芽と別れた後、妻にも他に好きな男が出来たんだ。話し合った結果、俺達は離婚した。

妻は子供を連れてその男ともうすぐ遠くへ引っ越すんだよ。
だから、せめて今日の運動会は子供と一緒に過ごさせてもらってる」


「そ、んな……」



嘲笑する孝宏さんだけど、あまりにも衝撃的な事実に私は言葉が出てこなかった。



「もうお互い気持ちが離れてたから、修復するのは無理だった。

俺も…ずっと夏芽のことが忘れられなかったから」


「──っ…!」


「こうしてまた逢えたのも、何かの運命かな」



ドクン、とまた心臓が重い音を立てた。

真剣な、熱い眼差しに私は捕らえられる。



「夏芽、俺は──…」