あまり長く一緒にいたら、彼の奥さんにも怪しまれてしまうかもしれない。


「じゃあ…」とだけ言って、私はその場を去ろうとした。



「待って!」



私を呼び止める孝宏さんは、なんだか苦しそうな表情を浮かべている。


どうしたのだろうと思わず足を止めると、彼は思いもよらないことを言った。



「実は…、妻とはもう離婚してるんだ」




「──えっ…!?」


「娘達と会えるのは、今日を入れてあと数日なんだよ」



ちょっと…それってどういうこと!?


意味がわからず唖然とする私に、孝宏さんは短く説明する。