「愛斗に寂しい想いをさせないだなんて言っておきながら、あの子には我慢させてばっかり。

そんな無責任な私に、誰かを大切になんて出来るのか…」



この間の遊園地のことだってそう。

愛斗はどこかへ行きたがっていたのに、それに気付いてさえあげられなかった。


結局、私は愛斗のために何をしてやれているんだろう?



「父親がいない家庭に生まれてくる子がどんな苦労をするか、私はちゃんとわかってなかったのよ。

それなのに、絶対に幸せにするだなんて…自己満足もいいとこだわ」



今は“お父さんとは事情があって一緒に暮らせなかった”と言っているだけだけれど、いつかその理由もはっきり説明しなきゃいけない時が来るだろう。


友達から聞かれることだってあるかもしれない。


その度にあの子はきっと嫌な想いをする。