「…カズくんは私にその話をしていいか迷ったみたいだけど、私は聞いてよかったと思ってる。
同じ気持ちだったことがわかって、ちょっと救われた気がしたから」
あの頃を思い出して、鼻の奥がツンと痛くなる。
指輪は見ると辛くなるから、引き出しの奥にしまったままだ。
「だけど、絶対に叶わない恋だったから…
今でもこんなに秋のことを引きずってるんだと思う」
どうすることも出来ない想いが、後悔が、罪悪感が…
ずっと私の心を締め付けている。
「…今でも、秋さんのことが好き?」
不意にショージさんに聞かれて、私は目に溜まった涙を拭って微笑む。