ありのままの、あなたが欲しい。

秋が事故に遭った知らせを聞いて、その頃から私達とよく一緒に遊んでいたカズくんとゆりあはすぐに来てくれた。


そして、カズくんはその白い箱を見て何かに気付いたようだった。



『それ…、たぶんなっちゃんへのプレゼントだよ』



何故か確信した様子のカズくんに、『開けてみな』と言われて躊躇いつつもリボンを解く。



『……！これ……』



その箱の中身は、紅い小さな宝石があしらわれた指輪だった。


──“ルビーの指輪”……



ドクンと鳴り始める心臓の音を耳元で感じながらカズくんを見上げると、彼は悲しげに微笑んで


『やっぱりそうだ』

と言った。