どうして秋がそこまでしてくれるのか、ずっと私も不思議に思ってた。でも……



「…亡くなってからだったの。秋の本当の気持ちに気付いたのは──…」





秋が突然この世を去った直後、私は警察の人に秋の車の中にあったらしい遺品を手渡された。


赤いリボンがついた、小さな白い箱。

どう見ても女性へのプレゼントだった。



もうすぐクリスマスだもんね…。きっと彼女にあげようとしていたんだろう。


そう思うと、悲しさと共に嫉妬のようなものが込み上げてきて、こんな時にまで醜い自分に心底嫌気がさした。



涙も流すことなく、ただ呆然とそれを見つめていた私に声を掛けたのは

秋の同級生であり親友のカズくんだった。