「…なんかすごいな…」



そこまで私の話を聞き終わったショージさんがぽつりと言った。

放心状態のような感じで。



「…予想外だったでしょ?」


「かなりね……」



彼は酷く疲れきったようにゆっくりと紅茶に口をつけると、呆れたような笑みを零した。

もう笑うしかないって感じだ。



「…よく産む決心したね?」



ショージさんの言葉に、私も少し笑みを見せつつ答える。



「ちゃんと避妊してたって妊娠しないとは限らないし、そういう行為をしてる時点で一応覚悟はしてたの。

それに、やっぱり子供が出来るってことは女として純粋に嬉しいから…」



愛斗の母親は私に違いない。

その事実だけで、今までもこれからも、私はあの子を心から愛していられる。