だから、自分だけではもうごまかすことが出来ない寂しさを、私は彼と共有したかったんだ。



──私はただの、狡くて弱い人間だ。


誰かにすがりたくて、
このどうすることも出来ない寂しさを埋めるにはカラダしかなくて──


十分な愛情も、避妊用具もないその状況で

私は彼に身を委ねてしまった。




そのたった一回の行為で命が宿ったことを、全く後悔しないと言ったら嘘になる。


彼の奥さんがそれを知ることは幸いなかったけれど、罪悪感はずっとあった。


そして何より、こんな形で生を受けることになった愛斗に申し訳ない気持ちで一杯だった。