いつも慎重な秋が雪道で事故を起こすなんて、それも私には信じがたかった。


だけど、後から聞いた話では

その事故現場の傍には、行方不明になっていた男の子が呆然と立ち尽くしていたらしい。



──あぁ、きっと秋はその男の子を見付けたんだ。


それに気をとられて、運転を誤ってしまったんだ……



その男の子が無事でよかった。


もしその子にまで何かあったら、秋は何の為に命を落としたのかわからない。


だけど元を辿れば、その子が失踪なんてしなければ、秋は今も生きていたかもしれないんだ──…



そう思うと、もう私の心の中は色々な感情が渦巻いてぐちゃぐちゃだった。