行方不明の男の子を捜している途中の雪道で、スリップした秋の車が電柱に激突して──彼は即死だった。



秋が出ていって二時間ほど経った頃、警察から連絡が来た私は目の前が真っ暗になって。


たしか、すぐさま愛斗を連れて病院へ向かったと思う。

その時の記憶はほとんどない。




秋が──……死んだ?



そんなことは到底信じられなかった。


ついさっきまで笑っていたのに

『心配しないで』って言ったのに

まだ秋に触れられた感覚は残っているのに──…




病院のベッドの上で人形のように眠る秋を見ても、そんな実感は湧かなかった。


傷こそあれど、その顔はやっぱり綺麗に思えたから。