警察は事件性がないとすぐには動いてくれない。


この時は知的障害者ということで捜索してくれるようだったけれど、
『それよりも自分が動いた方が早いから』と、秋は自ら捜すことを決めたようだった。



いつでも正義感が強かった秋。

それに加えて、失踪したのはまだ10歳そこそこの男の子。


それが秋を駆り立てる要因だったんだろう。



こんな雪の日に捜索をしに行かなきゃいけないなんて……

失踪した子も心配だったけれど、そう思ったのも確かで。


私は不本意ながらも、秋に『気をつけて』と声を掛けて見送ったのだった。