今日の花火は毎年このアパートからすごくいい位置に見えるらしい。


それをショージさんから聞いた愛斗が、案の定『一緒に見よう!』と言って今に至るのだ。



遊園地へ行ってからというもの、私は日に日に変化していく自分の心に戸惑っていた。


ショージさんと会うと、忘れていた“ときめき”みたいなものが蘇ってくる気がする。


──ドキドキするの。


今日、彼のために彼の好きな料理を用意してる間ですらその感覚を感じていた。



何がきっかけだったのかなんてわからない。


だけど、これが“恋”じゃないとしたら何だと言うんだろう──。