見下ろすと、マナトくんはそのつぶらな瞳でしっかりと三人の姿を目で追っていた。


…どう思ったかなんて考えなくてもわかる。


自分にはない幸せを見たら、羨ましく思うのが当然じゃないか?



そして、藤咲さんはそんな幸せを与えられないことに胸を痛めているに違いない。



「──…」



少し考えてから、俺はマナトくんの足の間に頭をくぐらせながら、しっかり両脚を支えてゆっくり立ち上がった。



「えっ?──うわぁっ!?」


「ショージさん…っ!」


「おーし。行くぞー」



びっくりしただろうマナトくんは、俺の手をギュッと強く握る。


でもすぐに意識は高い目線から見える遠くの景色に移っていた。