それを聞いて、私の胸はズキンと痛んだ。


今まで愛斗がそんなことを言ったことはなかったから。


たぶん、愛斗なりに私に気を遣っていたんだろう。

その小さな身体に、本音を閉じ込めて。



「そっか…、愛斗だってどこかに遊びに行きたいよね…」



今までなかなか遊びに連れていく余裕なんてなかった。
せいぜい近場の動物園くらいで。


親の都合で子供に我慢させていたことを今更ながら痛感して、私はまた胸が苦しくなった。



「…行きましょうか、三人で」


「………」



──え?“三人で”??


反応が遅れて顔を上げると、ショージさんはベンチから立ち上がる。