俺はしゃがんで可愛い天使の髪の毛を撫でて微笑む。



「……ん。いいよ」


「ほんと!?約束だよ!」



指切りをする俺達の傍に、藤咲さんが髪の毛を縛っていたシュシュを外しながら言う。



「よかったね、マナ。お友達が出来て」


「うんっ!」



そんな母親の顔をして微笑む彼女を見ると、何故だか胸がチクリと痛んだ。


近付いたような気がしても、やっぱり彼女は遠い存在でしかないように思えて。



「よければ、またマナと遊んでやってください」


「はい──…」



そう答えた俺は、上手く笑えていたかどうか、よくわからなかった。