人をからかうのもいい加減にしてよね…。


口に片手を当てながら声を殺してクックッと笑う彼に、まんまと躍らされた私はガックリとうなだれた。



「いや、でも本当に悪かったと思ってます。ゴメンなさい」


「…反省してください」


「はい」



バツが悪そうに少し笑って頭をかく彼を見てると、なんだかいたずらっ子を叱る母親か先生のような気分になる。


絶対にイイ男とは言えない人なのに、なぜだか心底憎めない。


それはショージさんの愛らしい部分をどこかに感じるせいなのか──。



「あ、そういえば…」



不意にショージさんは思い出したように顔を上げた。