桜の花が咲き誇る期間は短い。


その豊かで可憐な花びらがあっという間に舞い散って、緑の葉に姿を変えようとしている頃、

俺にも新たな転機が訪れようとしていた。




その日もいつものように仕事を終えて帰ってきた俺は、階段を上っている途中で誰かがいることに気付いた。


…俺の部屋の前に、知らない女が立っている。


そのギャル系の女は、俺を見つけてぱっと顔を輝かせた。



「かなう~!!」



──え?誰だっけ?



「……どちら様?」


「えぇ~!?忘れちゃったの!?
ミナだよ、ミ·ナ!!」


「──あ。」



思い出した…

酔った勢いで一夜を共にしてしまった、あのコテコテスイーツ女!!