そんな俺に、コーヒーを飲みながら武田さんはふと思い出したように言う。



「そういや、新人の山岸ってコもショージに気がありそうなんだよな…」


「…山岸さん?」



そういえばこの間彼女の教育係をしてから、やけに話し掛けられるような気はするけど…



「それは武田さんの思い込みでしょ」


「いーや、俺の目に狂いはない。
つーか、お前は恋愛に対してクール過ぎんだよ。もっと周りの女に目を向けろ!」


「そうよ、東海林サン。女の子に興味ないなんてホモだと思われるよ?」



あっはっはと笑い合う二人に、俺は口の端を引きつらせるしかなかった。