そんなことを思いながら再び連絡帳に目を落とすと、

「それより、ショージはどうなんだよ?」と聞かれた。


今度はペンを走らせる手を止めずに答える。



「どうって…?」


「ショージのそういう浮ついた話ってあんまり聞かねぇからさ。彼女欲しくねーの?」


「俺は…興味ないんで」



そう言うと、武田さんは怪訝そうな表情で俺に顔を近付けてくる。



「お前…そんなんでいいのかよ?
一人でする性欲処理ほど虚しいモンはねぇだろ」


「………。」



心配されるところはそこなのか。


何も言えない俺は、片手で頭を抱えて苦笑した。