「どういう意味?」
「…私は、声が出なかったんです。過去に、色々あって……だけど、陸翔くんはそんな私を見放さずにずっと見守ってくれました。陸翔くんのおかげで、自分に負けない自分になれました。」
「そう……」
そのまま山城さんは黙ってしまった。
目の前の陸翔は、目を瞑ったまま。
「………私はね、昔、陸翔にヒドいことを言ったの。」
突然、陸翔を見つめながら話す山城さん。
「……陸翔に、ね。酔った勢いで“あんたなんか産まなきゃ良かった”なんて、言ってしまったの。」
山城さんの瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。
「私、主人と離婚してね。まだ小さかった陸翔を連れて家を出たのよ。」
知らなかった。
陸翔、そんなことがあったなんて……
「…陸翔は、私がヒドいことを言っても目の前で泣いたりしなかった。どんなにヒドく陸翔に当たっても、陸翔は私の傍にいてくれた。」
「…陸翔くんは、暖かい人です。…優しい、人です。お母さんが、大好きなんだと思います。」
私がそう言うと、山城さんは泣き出した。