私はその人に詰め寄る。
「り、陸翔は!?」
その人は、一瞬下を向いた。
だけど、それから顔を上げ私を見据えた。
「ご家族の方ですか?」
「い、いえ……彼女、です」
「……そう、ですか。」
それから、先生は諦めたように話し出した。
「坂井さん、奇跡的に外傷はありませんでした。」
「ほ、本当ですか…?」
「…はい。ただ………」
そこまで言うと、言葉を詰まらせた。
「…ここから先は、聞くべきか……」
“ここから先は、聞くべきか”
その言葉が胸につかえる。
陸翔に、何か異常が……?
「お願いします!聞かせて下さい!」
力いっぱい、先生にお願いした。
「……坂井さん、
目を、醒ますか分からない状態です……」