「うっそ。若いっていうから
期待してたのに…
ありゃないわ。
みなみが好きそうなタイプじゃない?」



にやにやしながら口に手を当て沙織が後ろを向いた。



「う…うん。今ちょっと
ときめいてるかも…♪
な〜んてっ」

「ちょっとやめてよ〜?」


"イチカワ先生"は黒板に
"市川"と書いている。


チョークが黒板に当たる音が
教室に響く。



「初めての高校だし、
まだまだ分からないことが多いけど…、どうぞよろしく。

ではさっそく始めます。」



そう言うとさっさと教科書を開き
今日の内容について話し始めた。